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運転資金とは?不足する原因と医院・クリニック経営における考え方

開業した後に発生する運転資金は、家賃や人件費、生活費など予測が難しいものばかりです。しかし、ある程度の費用を想定しておかないと、運転資金が不足することがあります。そこで今回は、そもそも運転資金とは何か?どのような時に足りなくなるのか?など、医院・クリニック経営における運転資金の考え方をまとめていきます。

 

■運転資金とは?

「運転資金」とは、毎月の家賃、人件費、水道光熱費、薬剤費、交際費などです。開業した後に発生することから、ランニングコストとも呼ばれます。

実際に開業してみないと正確な額を算出することが難しいため、用意した資金では足りず、資金繰りに苦労する可能性があります。なおかつ、銀行の融資が受けにくいというのも厄介な点です。

 

■設備資金と運転資金の違い

運転資金と設備資金はセットで投資資金と呼ばれます。設備資金は新しく医療機器を導入したり、広告を行ったり、内装工事を行ったり、敷金や保証金を支払ったりした際の費用です。

「イニシャルコスト」とも呼ばれていて、開業前に計算ができることから見積もりを出しやすいのが特徴です。そのため、このような初期投資に関しては、銀行からの融資を受けやすい傾向にあります。

 

■運転資金が不足する原因

では、どのような時に運転資金は不足するのでしょうか?

一番わかりやすいのが、売上減少によるものです。患者さんの数が減少し、診療単価も低ければ、売上は減少し、医院・クリニック経営に支障をきたします。

また、たとえ売上が増えていても、運転資金が不足するケースも考えられます。特に医院・クリニックの診療報酬は、請求してから二ヶ月後の入金が一般的です。仮にその期間に緊急の支払いが必要になった場合は、黒字でも資金が不足します。そのため、運転資金はギリギリではなく、余裕をもった額を調達しておかなければなりません。

 

■医院・クリニックにおける開業資金・運転資金の調達法

一般的な企業の開業資金・運転資金の調達に関しては、ベンチャーキャピタル(VC)や国・地方公共団体からの補助金・助成金など様々な選択肢があります。

医療機関においては、「日本政策金融公庫」「民間金融機関」「独立行政法人福祉・医療機構」「ファクタリング会社」「リース会社」などが代表的です。自己資金や家族からの借り入れをメインに考える方もいらっしゃいます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、資金調達の際は慎重に検討する必要があります。

 

■医院・クリニック経営における運転資金の考え方

医院・クリニックを開業する際、運転資金をどのように考えるのかは非常に難問です。初期投資を抑えれば抑えるほど、早めに開業融資を返済したり、クリニック経営の黒字化を達成できたりする可能性が高まります。また、診療報酬が入金されるのは、基本的に請求してから約2ヵ月後なので、運転資金を多めに見積もっておけば、日々の診療に余裕ができるのも事実です。

一方で開業当社から守りに入り、運転資金に余裕を持ちすぎると、広告宣伝費や設備投資を抑える結果に繋がってしまい、長い目で見ると自院にとってマイナスになりかねません。

つまり、患者さんが多い場所で開業しているのかどうか、自由診療を行っているのかどうかなど、それぞれの医院・クリニックによって、バランスの良い運転資金の必要額は異なるのです。

診療分野ごとの設備資金の平均値、競合医院を分析した上での予算策定など考えるべき項目は多岐に及びます。

 

■まとめ

開業をお考えの際に、できるだけ借金をしたくないからと、初期投資を抑えたり、運転資金を少なく見積もったりする先生方は大勢いらっしゃいます。

しかし、医院・クリニック経営において重要なのは十分な運転資金を確保しつつ、積極的な設備投資も行っていくバランス感覚です。もちろん、日々診療をしながら、資金繰りや資金調達を考えるのは難しいとお考えの方もいらっしゃると思います。

そのようなお悩みをお持ちの際は、ぜひ当事務所までご相談ください。地域や診療科目ごとの適正な開業資金・運転資金の予算策定、黒字化するための現実的な目標設定など、多角的な視点から分析を行い、効率的な医院・クリニック経営をサポートいたします。

 

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